花とコーヒー

HIKAKINと対談した時の話を一部抜粋

 

HIKAKIN

コーヒー飲むのは好きだけどそのためにわざわざ歯磨くのだるいなあ〜\シャコシャコ/

 


HIKAKINレベルになるとそんな小さなだるいが悩みになるんだね笑

羨ましいよ、俺が常日頃思ってる、生きるために働くのだるいなぁ〜と比べると。

 


HIKAKIN

いやいや、比べる所が全然違うでしょうよ笑

まず"生きる"って主語がデカすぎな笑


主語をデカくして自分の言いたい事の本質をぼかさずに明瞭にしてみようよ\ブンブンハローYouTube/

 


はぁ?笑

意味わかんね、HIKAKINは老若男女の多数の人間からチヤホヤされて、お金も使い切れないほど稼いで、自分の好きなことを仕事にして、楽しく生きてるんだから、そんな悠長なこと言ってられるんだろうね

 


HIKAKIN

…つまり、君は、不特定多数の人にチヤホヤされたい、お金持ちになりたい、自分の好きなことして好きに生きたいと思ってるんだ

 


……

いや…全然違いますけど…(なんで違うんだろう…?)

 


HIKAKIN

コーヒーなんて必需品でもないし、あくまで嗜好品なんだよ。

好き嫌いもあって、そもそもコーヒーを飲めない人もいる。

コーヒーが好きでも、歯磨きをほったらかして歯が黄色くなっても構わない、見た目に気を遣わない人だっている。


(僕は人に見られる仕事だから歯は真っ白じゃないと論外。

だからだぁいすきなコーヒーを飲み干した後、編集よりも何よりも真っ先に、数万円した最新の超ハイテク電動歯ブラシで30分は歯磨きするけどね笑)


でも生きるってことは生物である以上、必須の事柄だよね。

それなくしては生命として活動できない。


なのになんで"コーヒー"と"生きる"が比較の対象になるなんて思ったんだい?

 


別にそれ自体が対象になるなんて思って話してねーよ!

好きなもののために、したくもないことしないといけないなんて、おかしいじゃないか。


それなのに、不本意なことしてでも、自分の望んでいることをやめられないのが、何となく似てるなって、概念の話でそう言っただけだよばーか!

 


HIKAKIN

君は生きることを望んでいるんだ

 


望んでいるってわけじゃないけど…(ん?…俺がさっきから言ってる"生きる"ってなんだ?)

 


HIKAKIN

君は贅沢過ぎる。所詮私欲にまみれたくだらない人間なのか、君も。


そのめは何のためについてるんだい?


言っとくけど、君の知らない世の中では、生きたくても生きられない、心の底から生きることを望んでいる人たちで溢れているんだよ。

貧困、病気、戦争、いつ死んでもおかしくない境遇にさられている人たちが今もなお、どれだけ苦しんでるかなんて考えたこともないんだろうね。

 


それは、そうだけど…(だってそれは俺の問題じゃない、世界の話だろ、俺には何も関係ない)

 


HIKAKIN

はぁ〜なんだろ、君の話を聞いていると「俺」「俺」ばっかりで疲れてくるね。

自分のことばかりしか、頭にないから、生きる「ため」なんて、そんな風に考えてる今の自分がどれだけ幸せなのか、気づけてない頭お花畑も大概にしないと、君の狭い視野の中でしか見えていない世界はさぞかしお花畑で広がってるんだろうけど、本当の、真実世界の大半は、枯れ果てた荒地みたいなものなんだよ。

(そこに必死に新たな生命を植えようと無駄な努力をしている人達もいるけど今は言わなくていいか)

 


つまり、俺は俺として生きてはいけないって言いたいのかよ。

 


HIKAKIN

いや、もっと自分中心に生きるんじゃなくて、少しは世の中を見て考えて生きようって話。

そもそも世の中がないと今の君は生きれていないんだから。

当然過ぎて意識できてないんだろうけどさ。

今の世の中が当たり前と思ってはいけないよね。不変的なものでもない。この瞬間も絶えず移り変わっていっている。

歴史を振り返れば分かるようにね。


ひょっとしたらさっきまで当たり前だったことが、明日には当たり前じゃなくなるかもしれないんだ。

 


世の中にいる俺…?ってのは…とても知りきれない広大な世界を前提としていて、俺は俺であって俺ではない、この世界、つまり社会の巨大な集団の中の一塊の一部分にしか過ぎない…今まで考えてた「俺」という意識は、あくまで木を見て森を見ずでしかなかった…ってことなのか…?

 


HIKAKIN

残念ながら。世界から見れば、君は大陸が国家として分立した後の世界の、何番目の国の何番目の町の、何番目の人間として割り振られた、差し詰め、人間No-58.12億〇〇番でしかない。


君は何ら特別な存在じゃない


所謂コーヒーの方が、矮小な君の存在より何億倍も価値があるんだよ。


君目線からすればコーヒーこそが矮小なものに見えるだろうけどね。


コーヒーはコーヒーとしてしかありえない、必要とされている替えのきかない存在で、そしてこの僕、HIKAKINも、HIKAKINとしてしかありえない、今日も僕の動画を楽しみにして生きている人がいて、待ち侘びている人がいて、その人たちのために今の僕はいる。

文字通り「生きて」いるんだ。いや、僕は社会に、この世界に「生かされて」いると言ってもいい。


それに比べてどうだろう。君が今、死んだところで、君の価値の消滅を嘆く者なんてせいぜい肉親くらいだろうね笑


それって悔しくないかい?


やりたくもないことをして必死に社会のために働いて生き抜いたのに、君の生きた人生ノートには、「よく頑張りましたね。」って誰からもハナマルを押して貰えない。


死ぬ最後も死んだ後も、君の存在した世界から見向きもされない。


いわば道端のコンクリートの隙間からひっそりと咲く一輪の花。気付かれることなく、無惨にも踏んづけられ、儚く散っていく。虚しくも、散っていく。それだけ。


考えてみてよ。それこそがだるい、というか辛いことじゃないかな?

 


……悲しいよ、嫌だ

 


HIKAKIN

嫌でしょ。自分をこの世界の確固たる存在にしたいでしょ。


厳しいようだけど、今のままだと君は君が言う「俺」を俺たらしめることができないんだよ。


もし、君が価値ある存在だと社会から認められるようになれば、自分は特別な人間なんだと、自惚れにも程がある自意識を内在だけに留めとかなくても良くなるんだ。


君の肉体が文字通り死んだとしても、君の存在は、歴史の中に刻まれる。


すなわち君の自惚れが現実になる。

社会の巨大な集団から独立した、替えのきかない、特別な1人の人間になれるんだ。


それこそが人間として「生きる」ってことだと、HIKAKINとしての僕は思ってる。


まあ、スーパーでアルバイトしてたそれまでの僕は今の君と同じで、働くのだるいな〜って毎日思ってたんだけどね笑


その時はよく分かってなかったんだよ。

自分のことも。

社会のことも。

世界も。

生も死すらも。

分かっていたのは、食べなきゃ死ぬ。寝ないと死ぬ。そのためには食べ物が、安心して眠りにつける寝床が、食べ物と寝床を確保するためにはお金が必要だから、仕方なく、スーパーでアルバイトしないといけなかった。


なんで働かなきゃいけないんだよって不平不満垂れてね笑


ずっとこんな生活して生きていくのかなって、将来が不安だったから、不安を掻き消すために、毎日、目の前にある小さな楽しみを無理矢理にでも頑張って見つけて、

(その楽しみが女やラーメン、漫画だったんだけど、今思えばくだらないな笑)


騙し騙し生きてたんだけど、ある日、いつの間にか空虚と化し、自己を失っていた自分が事切れてね。


「お前、本当は女もラーメンも漫画もどうだっていいだろ。いつまで自分を騙してるつもりだ?」


そう言って僕の中の自我が、直接語りかけてきたんだ。


「別にこれがしたいわけじゃないけど、今を楽しめてるんだから別にいいだろほっとけって私を、自我を追いやって、せっかく人間として生を授かったのに、どうでもいいことで妥協し続けて、感覚を麻痺させて、終いには殺していって、満足した。悪くない人生だった。って錯覚して死んでいってもいいのか?

私は情けないと思う。自分で自分を軽蔑するね。」


僕は答えた


「嫌だ!これ以上"どうだっていい"で生きていきたくない!こんな毎日が続く将来なんて嫌だ!好きなことやって生きて、それで食べれなくて、寝れなくて、死ぬのならそれは本望だ!」


そうして始めたのがビートボックスってわけ笑

 


何、言ってるんだよ、もうやめろ、聞きたくない

 


HIKAKIN

君も昔の僕と一緒で、働くのが辛いようだけど、まずは今君が咲いている場所で、自分以外の誰かたった1人でもいい、アナタじゃなきゃダメなんですって心から必要とされて、たとえ生きるのが嫌になって、もう死にたいと思っても、誰かに生かされ続ける自分であれよ。


ものは言いようだけど、君は働いている限り、その社会の中では「花」なんだ。

仕方なく、不本意で働いてるようだし、今は咲き誇ってないだろうけど。


でもまだ遅くない。

「花」である限り、水さえあれば潤い、花開く時が必ず来る。


困ったことに、その"水"は待っていてもやってこないんだけどね。雨さえ降ってこない。現実は君が思っている何倍も残酷なんだ。


耐えられないのが現実だ。だから騙し騙し生き

ていくのも分かる。理解できる。それも生き方の一つだ。それが僕の過去の生き方だった。


でも、立派な生き方とは到底言えないって気付いたから、現実と真っ向から勝負して、何とか耐え凌いで、有り難い事にこうして日本の超大物YouTuberとして大成できた。


さっきも言ったけど、そもそも真実の世界は枯れ果てた荒野みたいなものなんだ。


井の中の蛙大海を知らず状態の君が、自分中心の世界を離れ、次第に他者から必要とされるようにもなり、いずれ、枯れ果てた荒野に辿り着けたのなら、自ら働き続けたくない場所を脱しても、どこのどんな地でも自分の好きなように生きて、咲いていけるようになる。僕のようにね笑


そして時が来れば、枯れ果てた荒野の中にオアシスを見るようになる。


好きなだけ"水"を汲めるようになる。


そのためには、狭い狭い世界で生きたまま、自分の眼前に広がっている綺麗な世界が全てだと思い込むんじゃなくて、臭い物には蓋をするじゃなくて、本当の残酷から目を背けない。


自らの力で、知恵を働かせ、進んで行動して、どうにかして"水"を確保しなければならない。


降ることのない雨を、恵みの雨を信じて、天に向かっていつまでも口を開けて待っていたら、

いずれくるのは悲惨な「枯れ」だけだ。

それだけが現実だ。


ちなみに僕の"水"は、今となっては沢山あるけれど、その水をやるジョウロの役割の1つになってるのが、実はコーヒーなんだよね笑


さて、ここで改めて問おうか。


君は、君らしく生きるために何を望む?


"本当の君"が正真正銘好きだと感じるのは、一体なんだい?


僕はコーヒーを飲むのが大好きさ\ブンブンハローYouTube/